現状と課題
大都市:東京に位置しながら美しい“なぎさ”を持つ「葛西海浜公園」。たくさんの人々の憩いの場であると同時に、大都会にいながら日本文化の“花鳥風月”を感じることができる場でもあります。
世界中を見渡しても数百万万人を超える大都市においてこれほどまでに市民に親しみやすく自然の豊富な干潟を持つ空間はまず無いのではないでしょうか?
葛西海浜公園の干潟は人工によるものですが、近年自然回帰がすすみ、春になるとアユやカレイ高級魚のスズキやサヨリの稚魚までもが生息するようになってきています。
一方風が強い日や潮の満ち引きの加減で、西なぎさにはたくさんの漂流ゴミが打ち上げられます。
漂流ゴミは様々な種類に及び美しい景観を損ねてしまうと同時に海洋生物への悪影響はもちろんのこと、医療ゴミやガラス破片などはなぎさで遊ぶ子供たちにとって大変危険です。
まずは、なぎさから漂流ゴミを無くすことが第一なのですが、根本的には漂流ゴミの元になっている所やその原因を特定し、それらに対しての有効な対策をとることが必要です。
しかしながら、漂流ゴミを調査する為にはそれなりの資金も必要ですし、客観的で的確な調査をおこない原因を特定するには、季節や時間でまとまった範囲内で中長期的な漂流ゴミの収集が不可欠です。
つまり多くの労力と根気が必要なのです。
かつて江戸時代はlこの海で獲れた新鮮な魚で江戸前寿司を食していた文化がありました。そんな食文化を取り戻すくらい葛西海浜公園発信で是非自然回帰させていきたいものです。
真の意味で自然と都会での共生はもう一歩のところまで来ている様な気がします。漂流ゴミを収集・調査し対策を考えてそれを展開していく為には多くの専門家の方々や行政の力、賛同者による支援が必要不可欠です。
一方、葛西臨海&海浜公園では様々な環境活動が、公園管理者や様々なNPO、一般企業のCSR活動が展開されていますが、その動きはいわゆる縦割り的な動きであり、統率性にいまひとつ足りていないのも現状です。
『葛西臨海&海浜公園エコプロジェクト』のネットワークを広げながら『協働』の意識を広め、多くのステークホルダーにより環境を整備し、大都会:東京の海辺で花鳥風月を楽しむライフスタイルをもっともっと充実させていきたいと考えています。
エコプロジェクト始動と今後の展望
DEXTE-Kでは不定期ですが、週末に葛西海浜公園の西なぎさのゴミ拾いを開始しました。少しでも西なぎさから漂流ゴミが少なくなる為に知行合一の精神で努力し続けるつもりです。
漂流ゴミ拾いを軸にネットワークを広げ、葛西海浜公園の人工なぎさの自然回帰の一助となればと考えています。
名づけて『葛西臨海&海浜公園エコプロジェクト』その状況はBlog:「WE LOVE 葛西臨海公園」で発信していきます。
ネットワークが広がっていくことで、次の様な展開を描いています。
【ステージ1:漂流ゴミ拾いのネットワークの拡大】
まずは西なぎさを少しでも安全利用でき美しい風景を維持する為に、漂流ゴミを拾う活動と葛西海浜公園から出さない活動を展開させます。
そしてそのネットワークを広げていきます。その対象者は
・葛西臨海&海浜公園をよく利用される市民、団体、組織
・環境問題、エコ活動に関心のあるひと、団体、組織
・江戸川区臨海町や葛西地区を中心とした地元地域のひと、団体、組織
・海や海洋生物を愛するひと、団体、組織
・海辺で楽しくスポーツを楽しみたいひと、団体、組織
・海辺でのバードウォッチングをお楽しみたいひと、団体、組織
・海辺で海洋生物の観察や磯遊びを楽しみたいひと、家族
・エコプロジェクトを通じてイメージアップを計りたいひと、団体、組織
・海辺で楽しくバーベキューや食事をして過ごしたいひと、家族
・海辺で美しい風景を眺めていたいひと、家族… 等々
以上のようなステークホルダーで有志の方々です。
また、ゴミ拾いに参加してくださった方に、何かしらその証となるものを提案し、準備していきたいと思います。たとえば
・葛西臨海&海浜公園の自然の美しさを撮影した写真絵葉書の配布
・水族園の入園チケットや観覧車、バーべキュウの割引利用券の配布
です。もちろん東京都の行政側の理解と連携が必要になってきます。
親しみやすい市民活動にしていき、いろんなアイディアを出し合いながら「漂流ゴミ」をなぎさから無くしていきたいと考えています。
いよいよ西なぎさでの清掃活動が協働によりはじまりました!
『西なぎさ発:東京里海エイド』です!応援してください!(2010年4月~市民活動として始動)
【ステージ2:漂流ゴミ拾いのトレーサビリティの展開】
ある状態まで漂流ゴミが収集できる様になったら、漂流ゴミの追跡調査を行います。どんな種類のゴミが多いのか、ゴミの原泉となっている地域・地区はどこなのか、どんな産業からのゴミなのか、あるいはどんなことが原因で漂流ゴミとなってしまったのか等々…。
原泉を追跡し調べることを「トレーサビリティ」といいます。
漂流ゴミを客観的かつ的確に調べ、その根本となる原因を特定し、本質的な対策を立案することができるのです。
原因に対して本質的な対策を展開すれば、劇的に漂流ゴミを減らすことが期待されます。
しかしながら、調査や解決策を考え、さらにそれを実践していく為には多くの専門家や組織・団体、それに行政の力と資金が必要となります。
多くの協力者や理解者による支援を必要とする段階です。
資金を調達していく為には、別途様々な企画が必要と考えています。
たとえば、下記のようなものが考えられます。
- 水族園や野鳥園のスタッフの協力を得て、葛西海浜公園のなぎさの海洋生物や野鳥についての生態系の講演を有料で開催し、その一部を プロジェクト費とする。
- 葛西臨海&海浜公園で実施されるスポーツイベント、音楽イベントなどを企画展開し、イベントへの参加費用にプロジェクト費を付加させる。
- 葛西臨海&海浜公園の美しさをアピールした絵葉書や写真等を販売し、その一部をプロジェクト費とする。
いずれにしても本格的なコンソーシアムの形成が必要であり、「葛西臨海&海浜公園エコプロジェクト」の活動をを促進させるためにも、プロジェクトの事業化を計ったり、著名人による広報活動等を
展開させていきます。
恐らく寄付金等や市民だけの力では展開が困難であるため、このステージ2で最も時間を要する可能性もあります。
しかし、「漂流ゴミ」のトレーサビリティをしっかりおこない、本質的問題を解決することで、美しい葛西海浜公園の西なぎさ、さらには自然豊かな東京の海を取り戻す展開を確実に前進させていきます。また隣の東なぎさには、レッドブックに掲載されている水生生物も生息していることが確認されています。
人工なぎさにより自然を再生・維持し、生物多様性保全活動を市民、NPO、行政、教育機関、そして主旨に賛同する企業等が『協働』により展開していることを、日本ユネスコ社会連盟が提唱する「未来遺産」へ登録活動を行い、地域のブランド化を計ります。
(注釈)
2018年に葛西干潟がラムサール条約登録となった点で、現時点では日本ユネスコ社会連盟の「未来遺産」への登録については、見合わせています。
【ステージ3:漂流ゴミ“ゼロ”達成から「地産地消」へ】
漂流ゴミ“ゼロ”達成が最終目的ではありません。
もともと東京の海で獲れていた魚を本当の意味で自然回帰させ、「江戸前寿司」を真の意味で復活させることへエコプロジェクトを発展させていきます。
東京発「地産地消」の食文化の確立です。
かつて東京の海であちこちで養殖されていた「浅草のり」も復活させ、「江戸前寿司」を大都市:東京でエコプロジェクトのネットワークの輪から「地産地消」の食文化に育て上げることを目的としていくのです。
この段階までくると、「江戸前寿司」に関連する団体や組織までをステークホルダーとしていくことになります。環境問題の問題解決から東京発「地産地消」の食文化確立へのプロジェクトに進化させていきます。
「SUSHI」は世界的に愛されている料理ですので、「地産地消」が実現できれば、世界に誇れる東京発の食文化となるでしょう。
【ステージ4:継続的な活動と都市環境整備の模範的展開へ】
葛西臨海&海浜公園エコプロジェクトにより「漂流ゴミのゼロミッション」と「江戸前寿司の地産地消」を実現させることがゴールではありません。
当然これらの活動を末長く後世によき文化として継続させていかなくてはなりません。未来の子供たちへの誇れる文化へとさせたいものです。
葛西臨海公園&海浜公園で様々な活動をしている組織・団体と足並みを揃えて、次世代の為に大都市:東京発でエコプロジェクトの成功事例をつくることで、世界中の先進国の大都市における環境問題の解決策のきっかけ作りや様々な国において「都市と自然の共存」のモデル・模範となることが「葛西臨海&海浜公園エコプロジェクト」の最終目的としていきたいです。
生物多様性保全を大都市東京:東京の海で実現させ、サスティナブルな社会を、葛西臨海&海浜公園に関与する多くのステークフォルダーによる『協働』で実現していくことを目指したいと考えています。
葛西臨海&海浜公園プラジェクトは、2009年12月に骨子を立案しています。(2020年に部分的に加筆修正をしています。)
葛西海浜公園がラムサール条約の湿地に登録!
葛西干潟がラムサール条約に登録されました!
DEXTE-Kでは『西なぎさ発:東京里海エイド』の活動を10年間続けてきました。葛西干潟の環境保全については、最も貢献してきた活動であると自負しています。
【ラムサール条約登録までの道程】(2009年~2018年実績)
・参加者総数 : 延べ3,209名
・収集した漂着ごみ総数 : 1,776袋(45リットルごみ袋換算)
・粗大ごみ総数 : 764個
(※統計の数値は、調査した数量のみの総和です。)
今後も『西なぎさ発:東京里海エイド』の活動では、様々なステークフォルダーの方々と共に考え、共に行動することで、漂着ごみの問題を解決に向けて努力し続けていきたいと思います。
また良きコミュニケーションの場やプラットフォームとなることで地域活性化につながればと考えています。
協力・協賛してくださる方、組織・団体を募集しています
「葛西臨海&海浜公園エコプロジェクト」では、これからも徐々に理解者や協力者のネットワークを広げていきます。
現在ではステージ1の初期段階です。
第一段階としてまずは、「漂流ゴミ」を拾うことでコアとなる力強いネットワークを築いていこうと考えています。
現在は不定期にゴミ拾いをしていますが、仲間が集まってくれば、週末に定期的に「漂流ゴミ」拾いを展開させていきたいです。
DEXTE-Kは『現場主義』を貫き、フィールドワークとコミュニケーションを大切にしていきます。イベントや研究・会議が主体の活動や資金集めを主体目的とする行動は致しません。
DEXTE-K代表は技術士であり、技術士倫理要綱に沿って行動致します。
フィールド(現場)で鍛えられた感性で、効率よく結果を出せる手法を考えていきます。
その為「葛西臨海&海浜公園エコプロジェクト」を活性化させる為やステージ2へ進めるには、ある程度の資金集めは必要と考えますが、しばらくは協力・協賛してくださる組織・団体については、リストアップに留めるとし、目的と使途の不明確な寄付金は集めません。
あくまでも『協働』の意識が軸足です。
また、葛西臨海&海浜公園は東京都の管理地ですので勝手に寄付金は現段階では求められません。当エコプロジェクトの努力とコンセプトの理解を多くの方々にしていただき、行政・公の団体の公認を受けてから寄付金等を募り、具体的なコンソーシアムを形成しく考えです。
多くの方々にこのプロジェクトの主旨を理解していただき、賛同を得ることで、東京都や江戸川区の行政、そして各環境分野の専門家との連携を可能にしていきたいと考えています。
まずは協力・協賛の意向をメールにて連絡してくだされば幸いです。
ステージ2への移行できる段階になりましたら、リストアップされた各組織・団体の方々へ正式に様々な情報をご案内致します。
また個人情報保護法にもとづき知りえた情報は、厳重に管理し、当「葛西臨海&海浜公園エコプロジェクト」以外の目的で個人情報の利用は致しません。
当プロジェクトを広報する場合に、協力・協賛者の団体・組織名を開示する場合が想定されますが、その場合はその都度、各協力者・協賛者の開示の可否の確認を得ながら実施致します。
メールには下記事項を明記してくだいます様、
お願い致します。
1)組織・団体名
2)代表者名、担当部署&担当者名、
3)担当者の連絡先
※個人の場合は3)のみで結構です。
また「漂流ゴミ」拾いの活動以外の支援方法にて協力してくださる方、組織・団体も大歓迎です。
メールはこちらのフォームからお願い致します。